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No. 3  9月28日 宮崎県・ペンギンさん(31才)からの質問
Question

 (1)全日本を闘う上で、ランサーが宿敵となると思いますが、新型インプレッサ についてはどういう点に期待されていますか?また、印象はどうですか?

 (2)ラリーとダートラではタイヤは使い分けされていますか?西尾さんと北村さんでは好みも違うんですか?

 (3)非常に答えづらいと思いますが…浮気心で、ランサーだったらとか、ヨコハマのタイヤだったら…とか思うこと有りません?

 (4)西尾さんの車のカラーリングがいろいろ変わってきていますが、あれって西尾さんの趣味?ですか? 

 
 新型インプレッサのSTIバージョンが10月下旬に出る予定ていうても、スペックを全く知らんから、今のところ何も考えてないわ。
   愛想の無い答えでスイマセンね。
   ラリーとダートラのタイヤについては、まったく違う競技やから当然タイヤに求められる性能も違う。同じダートを走る競技といっても、同じタイヤでいいというわけにはいけへんね。
   でも、そのことを理解してない人が、関係者の中にさえまだけっこういるのが現状かな。
 

まず、ラリーのSSというのは100パーセントの走りがでけへん場合が多々ある。何年も同じコースを使ってるなら別やけど、たいていはレッキで2〜3回ゆっくり見ただけの道を走るから、少しマージンを持った走りでないと完走は難しい。

   つまり、クルマやタイヤの限界性能をつきつめても、ラリーではそれが必ずしもいつも発揮できるわけではないということやね。
 

うん、100パーセントを求めるよりも、どこに行っても常に95パーセントの走りができるほうが、ラリーでは結果としていい成績につながることが多い。それを可能にするには、足回りにしてもタイヤにしても、限界性能よりもコントロール性重視という方向になる。

   対照的に、ダートラでは熟知したコースを走るから、多少コントロールしづらくても、限界性能が高いタイヤのほうが好まれるんやね。
 

うん、ダートラは一発勝負やから、平均的にタイムがいいよりも、ここ一発で一番いいタイムを出した人間が勝つ。その結果、ダートラのトップ選手が選ぶタイヤは、どちらかといえばトラクション重視になる傾向がある。

   なるほどね。それに、走る距離もラリーとダートラでは全然ちがうでしょ。想定するスパンが違うから、タイヤの選び方は当然違うよね。
 

そうやな。ラリーの場合は、個々のイベント構成にもよるけど、たいていは1セット(途中で車載のスペアと交換できる場合でも合計6本)のタイヤで何か所もSSを走る。それぞれのSSでは路面や道の特徴が違うし、距離にすると合計30km以上にもなったりする。それを走りきったときに、トータルとしていちばんいい結果が出るようなタイヤを選ばなあかん。

   それは単に路面構成の距離比率だけやなくて、自分の得意な区間と苦手な区間の比率とか、どの区間で勝負をかけるか、という考え方でも変わってくるやろう。
 

ダートラでは1kmからせいぜい2kmぐらいのコースを1ラップ走るだけやけど、その中でも路面はさまざまに異なるし、高速区間も低速区間もある。自分は高速コーナーが得意か低速コーナーが得意かというのもある。それらを全部考えに入れたうえで、1ラップを走ったときにいちばんいいタイムが出るようなタイヤを選ぶ。だから、ラリーもダートラも考え方は同じやけど、そのスパンがちがうんや。

 

そういうことを考えてタイヤを選ぶんやけど、なかなかこれが難しいんやね。うまくいくことより失敗することのほうが圧倒的に多いような気がするな。

 

まあ、そういうときのほうが悔しいからいつまでも覚えてるんやろ。

   典型的な失敗例が98年の最終戦ハイランドマスターズやね。あのラリーでは、SS1が1kmのギャラリーステージ、SS2が3km、SS3が6kmで、この3本を走ってから前輪2本を車載のスペアタイヤに交換して、SS4、SS5、SS6で同じ道を逆方向に帰るという設定やった。
   前の日から土砂降りの雨が降り続いて路面はヘビーウェット。SS1、SS2の路面は、表面は軟質やけどその下に岩盤があって、SS3は岩盤が剥き出しの硬質ダートや。RX02Cは前半でリードが稼げるけど磨耗が激しいから後半はつらい。RX01Cは磨耗という点では大丈夫やけどその分タイムが悪い。
   それで、02Cを履いてSS1とSS2でリードを稼ぎ、SS3はできるだけタイヤを減らさないように抑えて走る、という作戦にしたんやけど・・・
 

最初の2本を終えた時点で2位に4秒差をつけたところまでは予定どおり、と思ったんやけど、実際にはその時点でほとんどタイヤの山が無くなってた。これが計算外やったね。磨耗したんではなく、路面の下に隠れてた岩盤で、ブロックがちぎれ飛んだんや。

 

この時点で「まずい!」と思っても、もうどうしようもない。

   SS3をスタートしたら2kmも行けへんうちに残りの山もちぎれ飛んでしもたみたいで、クルマのコントロールが極端に難しくなった。それでもなんとかガマンして走ってたけど、とうとうスピンして致命的に遅れた。そこから先は、ホントに道の上にいるのがやっとの状態やったな。
   SS3を終えてタイヤを見たら、前輪2本はツルツルに磨かれてまさにスリック状態。後輪はわずかに凸凹が残る程度のボーズ。タイヤ交換をして前輪が新品になっても、後輪はボーズのままやから、SS4、5、6は、ただもうコースアウトせんようにゆっくり走るしかなかった。
 

ダートラやったら迷わず02Cやな。あとはドライバーのウデ次第。

 

まあ、それはそれで難しいもんやろけど。ほならタイヤのことはこれぐらいにして、次の質問はどう?

 

そらワシかて人間やから、たまにそう思うこともあるで。でも、冷静に考えたら、それは意味がないと思うわ。いい道具(クルマ、タイヤ、ショックなど)を手に入れるのも、ドライバーの能力の一つや。単にセッティングや開発の能力だけでなく、エンジニアに協力してもらって一生懸命いいものを作ってもらえるようにする、そういう人達を自分の周りに集める、それができる体制を作る、そういうことすべてが、そのドライバーの能力と言っていい。ライバルのほうがいい道具を持っているということは、自分がライバルに比べてそういう能力において劣っているということや。

 

これまた厳しい。でもたしかに、シューマッハの行くところにいいエンジニアがついて来る、というのは、そういうことなんやろなあ。

 

「あいつはいいクルマといい体制に恵まれてるのに、自分にはそれがない」と嘆くのは、自分の能力のなさを棚にあげて人のせいにしてるのと同じや。もしそういう人が、たとえばその相手とまったく同じクルマと同じ体制を手に入れたとしたら、その一瞬だけは同じように速く走れるかもしれへん。でも、しばらくたったら、結局その前とまったく同じ状況になってるやろう。

 

そう言われてみたら、そういうもんかもしれんなあ。

   せやから、「自分があの体制で走れたら」と考えるよりも、自分をとりまく状況をどんどん改善していくように常に努力するべきやとオレは思うし、実際にそうしてるつもりや。しかしホンマの話、これがもう、タイヘンなんや。
   それが自分の選んだ道なんやから、ま、文句言わんと頑張ることですな。では次、カラーリングについて。
 

 カラーリングが変わるのは契約上の問題で、個人の趣味はカンケイないで。

   そういえば、この7月から入ってるライトグリーンと紫のデザインは、新しくスポンサー契約をした大阪スバルの社章をあしらったものやねんけど、「おっ、ファルケンカラーが新しくなったんですか」って言うた人がおったで。
 

ガクッ!

   そんなふうに、クルマのカラーリングって本来はスポンサーとの契約内容によって決まるもんやけど、去年秋から今年はじめにかけての玉虫色は、板金屋さんが「新しい塗料が出たから、いっぺん塗らせてほしい」って言うたから、それで塗ってもろたんでしょ? しかし、同じ玉虫色でも、ほかの色もあるのに、よりによってなんでムラサキなん?
   オレは最初ブルーがええと思ってんけど、板金屋さんの奥さんに「いや、こっちのほうが都会的でええよ」って言われたら、そんな気がしてきて・・・
 

 「都会的」という言葉に憧れたわけか。

 

 それは、オレがイナカもんやという意味か?

   ラリーの取材に来るカメラマンの人らによれば、たしかに、あの色を塗ったクルマは、都会にたくさんいる生物に似てるらしいわ。
 

 ふうん、どんな生物や?

 

 あのな、林道でラリー車が来るのを待ってるときに、このクルマがガサガサッと藪の中から出てきたらギョッとするねんて。「クルマには見えないよ、巨大ゴキブリみたい」って、みんなで口を揃えて言うてはったで。

   しっ、失礼な!!
 

 それであの色やめたんとちゃうん? ま、理由はさておき、今年の第2戦から塗ってる「プリズマティック」は、あんたのシュミで選んだわけ?

   うん、虹色の入ったシルバーなんて、まるで渓流に身を躍らせるイワナかレインボートラウトみたいやろ?
   う〜ん、まあ、そう見えへんこともないかな。最初は光りすぎて下品に思えたけど、「すごい!」ってびっくりしてくれる人が多いから、私もだんだん好きになってきたわ。
 

 せやろ。こんなキレイなクルマを見て「うわっ、ラメだ、イヤラシイ!」とか言う全日本の連中こそ、品位を疑うで、なあ。

   田口ユキヒロなんか、私が「キラキラして、レインボートラウトみたいでしょ」て言うたら、「ギラギラしてサバみたい」て言うてたで。
   くっそ〜、ユキヒロめ!
  
No. 2  9月22日 京都府・匿名希望さん(56才)からの質問
Question

 9月16日のモア・ラリー・イン・滋賀では、西尾選手の走りを撮ろうとしたのですが、素晴らしい技が見られなくて残念でした(編者注:SS2でリタイヤしたので)。H田さんの顔でSSのコース中に入れてもらって写真を撮っていたのですが、やはりなかなか難しく、良い写真は撮れませんでした。(但し静止したY子ちゃんの写真はよく撮れていました。)又機会あれば写真を撮りに行きたいと思っています。レースのうまい写真の撮り方を教えてください。

 
   そんなことを聞かれてもなあ。ま、オレの場合被写体がいいから、どう撮ってもカッコええんとちゃう?
   うちのドライバーは、コース脇にカメ ラマンを見つけると、カッコよく写ろうとしてやたら張り切るので、張りきりすぎて失敗することがあります。これまでのところ、その確率は50パーセントぐらいで、かなり高いと言えるでしょう。

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