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No.61  4月4日受信 京都府・「懲りん松レー」さんから
Question

 昨年PDに掲載していた「こにたんのペースノート講座」を読み、それをベースにペースノートを作っています。はじめは細かく書きすぎてナビが読めないことも時々ありましたが、見てわかるようなところはだんだん削っていって、だいぶマシになったと思います。

 でもまだ補助語が満足に使えず、たとえば、舗装のSSで落ち葉がところどころにある場合など、どこにどのくらいの落ち葉があるのかというのを入れたくても入れられません。結局、目で見て判断している状況です。

 西尾さん、山口さんは、落ち葉や砂などはどのように処理されているのでしょうか? また、落ち葉や砂が、どの程度ならどのくらい滑るということに関しては、もう経験しかないのでしょうか? もちろん人によって違うのでしょうが、目安の設定の仕方などにコツがあれば、教えていただきたいのです。

 
 小西君のペースノート講座は必要なことがきちんと書いてあって、「そうそう、そのとおり!」っていう内容やから、これからペースノートを作ろうという人には、まずこれを読みなさい、って言ってやろうとかねがね思っててん。
   ほう、そんなにちゃんとしたことが書いてあるのか?
   うん、使う言葉はちがうけど、内容は私らと一緒やもん。たぶん、今の全日本トップクラスのペースノートは、結局みんな同じような情報が入ってると思うわ。
   そうやな。ドライバーのレベルが同じぐらいやったら、必要な情報も必然的に同じになるはずやからな。
   逆に、レベルがちがいすぎると、「こういう場合にはこう表現する」と説明しても、ピンとけえへんかもしれへんね。
   そらそうや。オレがコンピュータのことで何か説明されてもチンプンカンプンなのと一緒や。
   そのたとえ、ごっつうわかりやすいわ。
   ふん!(ワシをバカにしとるやろ?)・・・ところで、今回の質問は答えにくいな。というより、期待してるような答えではないな。
   やっぱり・・・
   だいたい、ペースノートというのは道路状況すべてを記録するもんやと思ってる人が多いと思うけど、それはちょっとちがうんや。ペースノートというのはドライバーの記憶を喚起するためのもので、ドライバー自身がレッキで見たことを思い起こさせてくれるような情報を、必要最小限の言葉で表したもんやと考えたほうがええ。
   なるほど、そういえばそうや。前にカツ(田口勝彦)も言うてたね。「要は自分がわかりゃあええんじゃけん、コトバなんか『チョイチョイ』でもなんでも、それでイメージがわくんなら、そう書いときゃええ」って。
   せやな。あれはたしかオーストラリアで、「道の曲がり方がヘンやから、ノートにどう書いたらええんか、ものすごい悩むわ」ていう話をしてたときやったかな?
   ・・・やね。あれに比べたら日本の道ははるかに単調でノートが作りやすいわ。
   単調なだけに基本をマスターするにはちょうどええかもしれん。
   その基本はだいたいできたと思えたところで、落ち葉がどこにどれくらいあるか書き入れたいけど、どう書いたらええかわからん、て悩んではるねん。
   でもな、落ち葉がどこにどれだけあったかなんて、風の一吹きで変わるから、書いてもしょうがないで。
   せやなあ。そういや、あんたのペースノートは、「落ち葉」の一言で終わってるな。せいぜい書いても「アウト落ち葉」ぐらいか。
   うん。普通、落ち葉がある季節はどこのコーナーに落ち葉があってもおかしくないやろ? とくにひどい場所とか、ここは絶対にずっと濡れ落ち葉がたまってると推測できるような場所だけは、慎重に行くように「落ち葉」と一言入れるけど、それ以外は、どこでもある程度落ち葉はあるという前提で、マージンを持ちつつ自分の目で見て走るしかないわな。ノートに頼ろうとしたらかえって墓穴を掘ることになると思うで。
   ふんふん、たしかにそうや。でも、マージンを持って走ってたら、ペースノートを最大限に活用してることになれへんのとちゃう? 全開で攻められるようなノートでないと・・・
   もちろんそれが理想や。WRCのワークスドライバーともなればそうするべきやろうし、当然みんなそうしてると思う。たとえばこの前のコルシカでは、コリン・マクレーが舗装面に出てた泥で滑ってコースアウトした。同じ場所を使うSSを2回目に走ったときに、前にはなかったところに泥が出てたらしい。マクレーは数cm単位でラインを守った結果それを踏み、一瞬にしてコントロールを失った。これは、ノートを全面的に信じてそのとおりに全開で攻めたということのあらわれやろう。
   そうやねえ。
   でもな、プライベートがそれをしてたら、ラリーを続けていかれへんで。マクレーはクラッシュしても次のイベントには完璧なクルマが用意されるし、少なくともそのシーズンはよほどのことがない限りシートがある。でも、プライベートならその時点で活動休止に追い込まれる人も多いやろう。
   うん。私らにしたってスポンサーがあるにはあるけど、かなり厳しいもんね。
   オレかてノートに書いてあるとおり、ぎりぎりまで攻めたいよ。でも、やっぱり立場を考えたら、多少のマージンは残してしまう。そのときの状況に応じて程度の差はあるけどね。それに、なんといっても、オレの場合は隣に敵を乗せてるという事情もあるからな。
   むっ?
   こいつ、ときどき左やのに右て言いよる。「オレの記憶では、確かあのクレストの先は左のはずや」と思って、「ちがうやろ?左やろ?」て聞くねんけど、「いや、右や」て断言しよる。「ホンマか?ホンマに右でええんか?」「うん、右」「ホンマやな?ホンマに右やな?」「うん、右・・・あっ、左やった、ゴメン」やて。オレが疑り深いから助かってるけど、こういうことがあるたびに、オレの寿命はまちがいなく10年ずつ縮んでるで。
 
   またあの話か。もう3年も前のことやのに、執念深いなあ。
   何がや!? あそこでオマエの言うとおり右向きにクレスト越えてたら、死んでたぞ!
   ええやん、現実には死んでないねんから。いつも紙一重のとこで命拾いしてるやん。
   せ・や・か・ら、それは、オレがオマエを信用せんとマージン持って走ってるからやんけ。ましてペースノートの作り方が未熟なうちは、ノートのとおり全開で走ってたら、命とクルマがいくつあっても足らんで。
   ふーむ、なんか妙に説得力があるような・・・・・まあ、そういうわけで一応、ある程度のマージンは持って走るとしても、ノートに「落ち葉」と書くか書けへんか決めるときには、どれくらいの量の落ち葉ならどれくらい滑るということをわかったうえで、これぐらいなら自分は対処できるとかでけへんとか、そういう判断をせなあかんわけやね? でも、それってすごい難しいんとちゃうん?
   うん、まあな。
   それってやっぱり、練習して、いっぱい経験していかんと、わからへんのとちゃうん?
   そらそうや。
   ふえ〜、タイヘンやなあ!! そらタイヘンやで!そんなもん、実際に濡れ落ち葉のある道で何回も走ってみんとわかれへんやん、ゲゲ〜・・・
   そうや。せやからモータースポーツやねん。そうやろ?
   う〜むむ・・・なるほど、そうやなあ。落ち葉がこれだけあったらこれだけ滑ります、だからノートにはこう書きなさい、で話がすんだら、世話ないわ。誰でも同じようにノートを書いて同じように走れてしまうやん。でも、実際はそういうわけにはいかんからなあ。
   練習してそれ相応の技術を身につけた者だけがわかることやし、できることや。どんなスポーツでもそうやろ?
   あくまでも先に立つのはドライビングテクニックで、それを有効に使うための補助具がペースノートっていうことやね。
   うん。ドライビングテクニックなしにペースノートだけで速くなろうとしても、それにはおのずと限界がある。たしかに、ペースノートは大事やし、同じレベルのドライバーで比べたら、ノートをうまく使う人のほうが速く走れるやろう。せやけど、いくらノートが良くても、結局のところ自分の持つ「速さ」以上に速く走ることはでけへんわな。
   そらそうや。ノートの書き方一つで解決できる問題もあるけど、それだけでは解決でけへん問題もある。今回の質問の答えは不幸にも後者のほうやったわけや。まあ、それがわかっただけでもええか。これであきらめがつくから、練習にも打ち込めるやろ。
   あと、一つ念を押しておきたいのは、リタイヤしたら元も子もないから、どれぐらいの落ち葉でどれくらい滑るのかようわからんうちは、なるべく慎重なノートにしておくことや。それでソンしたと感じてもしょうがない。わからんうちは、とにかくできるだけたくさん走って経験を積むことのほうが大事やからな。
   私らもノートを作り慣れてないうちは慎重になりすぎて、「ノートなんかナシで見た目で走ったほうが速かった」って、ガックリきたことが何回もあったねえ。
   うん。コーナーの数字が小さすぎて「もっと行けた」と思ったり、「!」をつけた場所も、実際に走ってみたらたいして危険でもなかったりね。でも、最初のうちは、用心すべきところでソンしてもいいから、その分、安全なところでスピードを落とさんようにして稼ぐとか、損する部分をなるべく減らすことはできる。だんだんノートづくりに慣れるにつれて、損する部分が減って、トクすることが増えていくはずや。
   もうすぐJAF近畿地区ラリー選手権の開幕戦やね。今回の回答を少しでも役に立ててもらえたら嬉しいです。頑張ってください。でも、気をつけて。その次もまた出られるようにね!

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