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2001  Vol. 6 issued May 29


スパイク インターナショナル日本アルペンラリー

 

“まだまだ若い”西尾、SS1でクラッシュ

〜 成績は残らないものの修復してレグ2に出走し、存在をアピール 〜

 

 

 5月19日午前11時、スパイクインターナショナル第19回日本アルペンラリーは、快晴の空のもと、群馬県嬬恋村の鬼押し出し園でその歴史的なスタートを切った。FIA規則にのっとった国際格式のラリーが日本で開催されるのはこれが初めて。エントリー数27台というのは、これまで日本でラリーを開催してきた人たちの固定観念からすると、「寂しい」と映るかもしれないが、観戦チケットが1万枚も売れたという事実を見れば、「寂しい」どころか、「超大盛況」とさえ言える。


 勝負の行方は最初からわかっていた。インプレッサWRC2001に乗る新井敏弘が優勝するのは、クルマのポテンシャルの圧倒的な差からいってもまちがいない。それでも、田口勝彦がカスタマー仕様のグループAランサーで、西尾雄次郎、奴田原文雄、勝田範彦はそれぞれが全日本選手権で使っている車両をこのラリーの特別規則に合わせて大幅にデチューンした「Jクラス」車両で、さらに石田正史はグループNランサーエボ7で参加し、このイベントの盛り上げ役を買って出た。

 西尾を今回スポットで支援するのは、大阪の貿易会社「プロパック」。さすが関西のノリで、その名も「プロパックワールドラリーチーム」と大きく出た。優勝すればボーナスも出るという言葉に、西尾は俄然気合が入る。SS1は短いが、攻め方ひとつでタイムは大きく左右されるコースだ。ここで主導権を握れば、その後の展開は見えてくる。

 

 スタートシグナルが青に変わった瞬間、西尾は渾身のアタックを開始した。絶妙のクラッチミートで飛び出すと、何かに憑かれたようにアクセル全開のままクレストを越え高速S字を抜ける。次のコーナーへのブレーキングはS字を抜けてからでも充分間に合うはずだった。しかし、思いがけず後輪のブレーキがロックし、クルマは大きく姿勢を乱す。今回のラリーでは、「デチューン」の一つとして西尾のクルマには100kg以上のウエイトが積まれたが、それに対応するため、西尾は普段よりもリヤに強めのブレーキ配分を施した。それが裏目に出て、思ったよりも早く後輪がロックしたのだった。

 

 時速100km/h超での思いがけない姿勢の乱れにも関わらず、西尾は冷静にブレーキとステアリングを操作し、クルマを立て直すことに成功した。が、そこからの減速では距離が足りなかった。インプレッサは土手に激突、ロワアームが折れ、その付け根のブラケットも失った。西尾の日本アルペンは、SS1スタートからわずか13秒であっけなく終わった。

 

 ところがどっこい、今大会の特別規則により第1レグでリタイヤした車両は、クルマさえ修復できれば第2レグも出走できる。西尾はなんとかインプレッサを修復し、翌日は最後までラリーを走りきった。沿道で応援してくれた多くの人たちの笑顔と、フィニッシュのポディウムで受けた拍手喝采が、西尾にとって、いや、出場したすべての人にとって、何よりも素晴らしい宝物になったことだろう。
 

 

 

Photo Album

 

競技結果(完走21台/出走27台)

順位 クルー 車両 クラス SSタイム ペナルティ 合計タイム
1位 新井敏弘/マクニール インプレッサWRC2001 A8 52:18.6 0:00.0 52:18.6
2位 奴田原文雄/小田切順之 ランサーEvo7 J12 54:07.4 0:20.0 54:27.4
3位 勝田範彦/高橋浩子 インプレッサGDB J12 54:51.2 0:10.0 55:01.2
4位 増村淳/福村幸則 ランサーEvo7 N4 55:28.5 0:00.0 55:28.5
5位 小西重幸/リム インプレッサGDB N4 55:54.7 0:00.0 55:54.7
6位 ゴア/ネルソン ランサーEvo7 A8 56:10.1 0:00.0 56:10.1

 

Date  2001年5月19-20日
Place

群馬県嬬恋村・鬼押し出し園 スタート〜表万座スキー場フィニッシュ

Data  SS総距離 63.92km
Weather  レグ1 晴れのち雨、レグ2 晴れ  気温25〜30℃