NISHIO GARAGE


Release 2003         

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2003 Vol. 14


全日本ラリー選手権四駆部門第8戦 M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ

 

清井、6位入賞で参戦1年目を締めくくる

〜全日本で初めてのベストタイムも記録〜

 

 

2003年の全日本ラリーは、例年どおり錦秋の飛騨路を舞台とするハイランドマスターズでその最終章を迎えた。週半ばに雨が降った後、すぐに天候は回復し、ラリーの週末は秋晴れ。お陰で、ダートはホコリもあまりたたず、ターマックは一部落葉が多いもののほぼ完全ドライという比較的良い条件に恵まれた。

 

ハイランドマスターズではここ数年、舗装の比率が高まっており、今年のSS構成はターマックの距離がグラベルの距離を大きく上回った。ただし、ターマックにおいてもグラベル用タイヤの使用が義務付けられているため、各チームはターマックSS走行用に「超硬質ダート用タイヤ」の山を減らしたものを用意することになる。このようなケースでこれまでブリヂストンユーザーが使ってきたのは、超硬質ダート用として設計されたポテンザRE461Rだったが、今年発売された一般ダート用タイヤRE470Rのほうが、コンパウンド自体はRE461Rよりも格段にグリップ力が高いというアドバイスを西尾はエンジニアから受けていた。

 

とはいえ、タイヤの性能はコンパウンドのグリップ力のみで決まるのではない。西尾はRE461RRE470Rの比較テストを繰り返し、これらのタイヤがそれぞれどの程度の残り山でどのようなパフォーマンスを発揮するかを入念に調べた。こうして得られたデータと過去の結果を総合し、「ダートでの負けを20秒以内におさめれば、ターマックで逆転することは可能」という結論を、西尾は導き出していた。

 

ラリーはお決まりの深谷ダムのギャラリーステージで幕を開けた。SS2/3で八本原をいつもと逆の向きに越え、SS4で再び深谷ダム、SS5/6で八本原の2回目、SS7で深谷ダムを走ると、グラベルステージはすべて終了する。硬い路面に浮き砂利が乗った八本原の1回目や、コースの大部分がウェットになってしまった深谷ダムでは、トップ争いは望めない。西尾は予定どおりとも言える6番手でSS3までを終えた。1位との差はすでに12秒になっていたが、砂利が掃けたSS5/6は、RE470Rが得意とする硬質路面に変貌しているはず。西尾が優勝可否の目安とした「20秒以内」は、ラクにクリアできそうに思えた。

 

こうして迎えたSS5は、まさに予想どおり。1回目とうって変わって、クルマは西尾の意のままに小気味良くコーナーを通過していく。ところが、峠を越えて下りに入ったあたりで、突然シフトレバーがグラグラになり、4速に入ったまま抜けなくなった。すぐ先には2速で回るタイトコーナーがあるため、西尾は必死でシフトチェンジを試みるが、そうするうちにもインプレッサはみるみるスピードを失っていく。結局4速のまま半クラッチでタイトコーナーをなんとかしのぎ、西尾は11.5kmSS5のうち最後の3.5kmを4速だけで走りきったが、そこまで。SS5フィニッシュ地点で西尾のラリーは終わった。

 

いっぽう、清井はSS3終了時点ですでに西尾から15秒もの遅れをとり、セクション1をトップから46秒落ちの10位で終えた。5位とは34秒の差があったが、6位まではわずか9秒。西尾は、「このタイヤがあれば絶対に6位にはなれる」と清井に言い聞かせ、セクション2へと送り出す。清井は見事に西尾の期待に応え、次のサービスに戻るまでの4本のSSで、炭山、木戸、星野らを抜き去って6位に浮上した。SS13では奴田原、田口と同秒ながら、全日本で初めてのベストタイムも記録。終わってみればセクション2は終始安定した速さで、堂々の6位入賞を勝ち取った。

 

予想どおりとはいえ、ターマックでRE470Rを掃いた清井が出したタイムを見れば、「もしも自分があのままノートラブルで走りきっていれば」と、西尾にはあきらめきれない思いが募る。持ち帰った八本原のインカー映像から、ミッショントラブルが発生した時点ですでに、1回目の同じ時点と比べて19秒もタイムが縮まっていたことがわかったのだから、なおさらと言えよう。西尾にとって、清井が自力でライバルたちを抜いて6位入賞を手に入れたことが、せめてもの慰めになった。

 

  Team 5ZIGEN の全日本ラリー活動初年度の日程はこれで終了した。一部の開発中パーツを除けば自分とまったく同じ仕様のクルマを清井に与え、テストと練習、本番を通じて彼の走りを見てきた西尾は、清井が確実に成長したことを素直に喜んでいる。とはいえ、決して満足できるようなものではない。来年は西尾、清井ともにさらに上を目指して、長いようで短いシーズンオフがこれからまた始まる。

 

 

Photo Album

 

Cクラス競技結果(完走15台/出走20台):

順位 クルー 車両 タイヤ 合計タイム 1位との差
1位 奴田原文雄/小田切順之 ランサー YK 1:07:06 --
2位 柳沢宏至/美細津正 インプレッサ YK 1:07:28 +22
3位 勝田範彦/北田稔 インプレッサ DL 1:07:30 +24
4位 田口幸宏/田口雅生 ランサー YK 1:07:34 +28
5位 綾部美津雄/佐藤忠宜 インプレッサ DL 1:07:40 +34
6位 清井克紀/山中知樹 インプレッサ BS 1:08:15 +1:09

 

Date  2003年10月26-27日岐阜県久々野町・モンデウス位山スキー場スタート&フィニッシュ
Data  SS総距離 79.08km(グラベル31.72km・ターマック47.36km)
Weather  天候:晴れ 気温:5〜15℃