NISHIO GARAGE


Release 2003         

Vol. 1 Vol. 2 Vol. 3 Vol. 4 Vol. 5 Vol. 6 Vol. 7 Vol. 8 Vol. 9 Vol. 10 Vol. 11 Vol. 12 Vol. 13 Vol. 14 Vol. 15 Vol. 16

 

 

2003 Vol. 8


全日本ラリー選手権四駆部門第3戦 ひえつき

 

パンクと電気系トラブルでリタイヤ

〜暫定的な新車両規則に合わせたクルマづくりに課題も〜

 

 

開催日が5月に移動した4年前から、ひえつきは年度最初のグラベルイベントとして、車両開発の方向性を見極める重要な位置を占めている。険しい山肌に作られたコースはきつい上りが多く、ここ数年はランサーの優位が目立っていたが、リストリクターで最高出力が規制される今年は、それにどんな変化が現れるかが期待された。なにしろグループNでは新型インプレッサがランサーと互角以上に戦えることが、すでにP−WRCで実証されている。

 

金曜日までの数日は晴れて気温も上がり、夏のような天気だったが、ラリー当日には冷たい空気が流れ込み、空は曇り。セクション1は昨年と同じく約5kmの辻のステージを3回走る。その結果にインプレッサ勢は愕然とした。昨年と同じように、奴田原が圧倒的なタイムで独走し、ランサーが1−2−3を占めたからだ。3位と0.3秒差の4位にやっと西尾が踏ん張り、6位に勝田、8位に柳沢と厳しい状況。2位から8位まではたった4.3秒だが、1位と2位の差はすでに18秒に開いていた。

 

セクション2も過去4年間使っている同じ場所で、一つの山の上り下りを3周する。ここも勾配がきつく、昨年まではインプレッサは上りで苦戦するが下りは高い運動性能で挽回するというパターンが続いていた。ところが今年は下りでもランサー勢の上位独占は揺るがず、インプレッサ勢は追いつくどころかさらに差を広げられてしまった。

 

思えば、ランサー勢は「顔」こそエボ8になってはいるが、どれも中身はエボ7。その理由の一つは、エボ8では今年の車両規定で吸気パイピングを加工できないが、それではパワーが出ないからだという。対して新型インプレッサ勢は、インターラリー出場を念頭にグループNに近い範囲の改造にとどめている。西尾車も吸気パイピングやブレーキなどは標準品のままだ。

 

セクション2が終わると本格的に降り出した雨に、西尾は一縷の望みを託す。ウェット路面ではインプレッサの身軽さが強みとなり、ラリーの展開も大きく変わる可能性があるからだ。3位に対してキロ1秒稼げば逆転できる。ウェット用タイヤに履き替えたセクション3最初のSS10は、わずか1.8km。ここで3位の石田雅之に1.4秒勝って手ごたえを感じた西尾は、このラリー最長のSS11に勝負をかけた。しかし、スタート後1kmも行かないうちに左前輪がバーストし、万事休す。去年はここで圧倒的な速さを見せた勝田も、今回は上位のランサー勢に歯が立たず、自力での浮上は成らなかった。

 

入賞の望みを絶たれた西尾だったが、完走して3ポイントを稼ぐべく、SS11の途中でタイヤ交換してラリーを続けた。ところが、SS12への移動途中でバッテリーが上がり、クルマは国道上でストップ。これでリタイヤせざるを得なくなった。

 

 今回のひえつきは惨敗に終わったが、嘆いているだけでは前に進めない。帰路にはすでに、次回に向けての対策を考えた。現行の国内車両規則のもとでランサーに対抗するには、こちらも同様に昨年仕様のパーツを採用せざるを得ないようだ。

 

 

Photo Album

 

Cクラス競技結果(完走21台/出走23台):

順位 クルー 車両 タイヤ 合計タイム 1位との差(秒)
1位 奴田原文雄/小田切順之 ランサー YK 45:36.9 --
2位 石田正史/宮城孝仁 ランサー DL 46:15.7 +38.8
3位 石田雅之/澤田茂 ランサー BS 46:25.1 +48.2
4位 福永修/中川雅浩 ランサー DL 46:32.3 +55.4
5位 勝田範彦/北田稔 インプレッサ DL 46:36.0 +58.1
6位 柳沢宏至/美細津正 ランサー YK 46:51.0 +1:14.1

 

Date  2003年5月24-25日宮崎県椎葉村・椎葉村総合運動公園スタート&フィニッシュ
Data  SS総距離 46.19km(グラベル)
Weather  天候:曇り後雨 気温:10〜18℃