NISHIO GARAGE


Release 2004         

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2004  Vol. 3


全日本ラリー選手権四駆部門第1戦ひえつき

 

西尾、3位に終るも「結果として上出来」

〜清井は今後の課題が明確に〜

 

 2004年全日本ラリー選手権四輪駆動部門は、例年北海道で行われていたスノーラリーがカレンダーから消え、新緑の美しい宮崎県椎葉村で、いつになく遅い開幕戦を迎えた。

 Team 5ZIGEN Rally Missionは、昨年と同じく西尾雄次郎、清井克紀の2台体制だが、今年は清井のコドライバーに新人の山本一葉(かずは)を起用。経験の浅い2人が、自分たちなりに考えながら互いに協力してラリーの戦い方を学んでいくように、との狙いがある。

 金曜日のレッキ開始早々に現地を見舞った土砂降りの雨が、ホコリを抑え、後に続いた爽やかな空気が土曜日には絶好のラリー日和を作り出した。セクション1は前年同様、ギャラリーエリアの設けられた間柏原−中山線を3回走る。SS1で飛び出したのは、これも前年同様、奴田原で、西尾はトップから5秒落ちの5位と、今年も大きく出遅れてしまった。

 シーズンオフが長い分、今年は充分な準備ができると思っていたのだが、タイヤサプライヤーとホイールサプライヤーが変わったうえ、ガレージの移転もあり、テスト不十分のまま本番に臨むことになった。データのない西尾は、TCイン前の短い時間に、以前からのダンロップユーザーである石田正史や勝田範彦に、タイヤの特性についてあれこれ質問する。彼らの話と自分の感触をもとに、ショックアブソーバーのセットアップをダイヤル操作で対応できる範囲ながら変更し、タイヤの空気圧を調整して、西尾はタイム向上をめざす。その甲斐あってか、SS2、SS3は奴田原に続く2番時計を記録し、その差もここ2年間に比べてぐっと縮まった。2位石田正史との差も0.9秒となり、すでに射程圏内だ。

 セクション2は、これも昨年同様、八村杉の山越え。3年前までは得意としていたこの道で、西尾はここ2年低迷しており、特に昨年はレギュラー陣の中では最下位に近いタイムで愕然としたものだ。ここを上位で切り抜けることができれば、先が見えてくる。SS4がアクシデントのためキャンセルされ、いきなりリスキーな下りコースから始まったこのセクションで、西尾はまたもや出遅れたものの、ドライビングスタイルを変えて対応し、ペースを維持することに成功した。SS2、SS3で西尾に急追されて焦ったのか、石田正史はSS5で珍しくコースアウトして消えていた。

 ラリーは今年も、西尾の苦手な三方山が最終セクションに控える。テストもせずデフの仕様をラリー直前に変更したことを悔やみつつも、他のさまざまな要素を変えながらなんとか2位を走ってきた西尾だったが、その位置を守りきることはできなかった。このコースを得意とする勝田が、猛スパートを見せたのだ。5秒近くの差をたちまち逆転され、西尾は1.0秒のビハインドを背負って最終SSを迎えた。

 今回の車両仕様やドライバーの得手不得手を考えると、1秒差とはいえここで勝田を逆転するのはもはや不可能に見える。4位との差はすでに6秒以上あり、まず抜かれることはない。しかし、西尾はわずかなチャンスに賭けて最後まで攻めの走りを貫いた。結果は、勝田がベストタイムを記録し2位を確保。西尾はその後塵を拝し、3位でラリーを終えた。

 一方、清井はSS1での大幅な遅れが最後まで響き、10位に終った。どのSSも、2回目や3回目は人並みのタイムで走れているのに、1回目のタイムが悪く、特にラリーしょっぱなのSS1は極端に悪い。昨年は参戦1年目であり、浮き砂利路面に弱いというタイヤの性格もあって、仕方がないとも思えたが、今年はちがう。最初から自分本来の実力を出すにはどうすればいいのか。その方法を、これからコドライバーと2人で考え、見つけていかなければならないだろう。

 ラリー終了直後には、「負けた・・・」と、悔しさをにじませていた西尾だが、少し時間を経て振り返れば、準備不足にも関わらず3位を得たことは結果として上出来、と思い直した。昨年に比べてベース車両のポテンシャルは確実に上がっている。今回の敗因は、全体のパッケージを自分がうまくまとめられなかったことにあるが、今後の方向性もこの1戦で見えてきたと言う。特に、サスペンションにはまだまだ改善の余地があり、現段階の車両を3位に導いたダンロップタイヤには、大きな可能性を感じている。

 第2戦MSCC東京ラリーは、約65kmのグラベルステージが用意され、その平均速度は今回を大幅に上回ると聞く。西尾が得意とする高速コースで、真価を発揮できるかどうか。今年のシリーズ展開を占ううえで、重要なカギを握る1戦となりそうだ。


 

Cクラス競技結果(完走14台/出走17台)

順位 クルー 車両 タイヤ 合計タイム 1位との差(秒)
1位 奴田原文雄/小田切順之 ランサー YH 42:46.2 --
2位 勝田範彦/北田稔 インプレッサ DL 43:05.1 +18.9
3位 西尾雄次郎/山口顕子 インプレッサ DL 43:08.3 +22.1
4位 田口幸宏/佐藤忠宣 ランサー YH 43:14.7 +28.5
5位 鎌田卓麻/晝田満彦 インプレッサ YH 43:18.1 +31.9
6位 石田雅之/澤田茂 ランサー BS 43:37.6 +51.4

 

Date  2004年4月24日宮崎県椎葉村・椎葉村総合運動公園スタート&フィニッシュ
Data  SS13本48.54km(グラベル)