NISHIO GARAGE


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2006 Vol. 11 issued Oct. 26


全日本ラリー選手権第9戦 M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ

 

難条件に果敢に挑んだ北村、6位でフィニッシュ

 

〜  経験を積むことを目標とした2006年は、シリーズランキング5位で終了 〜

 

 2006年全日本ラリーシリーズ最終戦は、紅葉が最盛期を迎えた飛騨高山を舞台に開催された。長く続いた好天のおかげで、林道は硬く引き締まっている。金曜日のレッキが終わる頃から夜半まで降った雨は、ホコリを抑えるのにちょうどよい湿り気を与えるにとどまった。

 コースレイアウトは、昨年と同じく深谷ダムのギャラリーステージと八本原、青谷という2本の林道を数回リピートするもの。どの道も15年以上にわたって毎年のように使われており、もう50回以上走っているというドライバーさえ何人もいる。これに対して北村和浩は、6〜7年前 に参戦した際に走ったかもしれないという程度で、コースの習熟度に大きな差がある。さらに夜間の競技走行もほとんど初体験に等しい。

 

 前戦キロロからさらにマシンは進化したが、これらのハンデを克服してトップグループに食い込むことは、いかに北村とはいえそう簡単ではないだろうと予想された。

 乾いた硬質路面にパラパラと浮き砂利が乗った今回の路面では、1周目は出走順の有利不利の差が著しい。その条件を考えれば予想どおりというべきか、8番目出走の田口幸宏がSS1を制した。シリーズランキングに従って6番目という比較的良い出走順を得た北村は6位と善戦。いっぽう、カーナンバー1を与えられたポイントリーダー勝田範彦は、9位と出遅れた。

 SS2では5号車炭山裕矢がベストタイムを奪ってトップに浮上。2位には1.1秒差で田口、さらにその1.5秒差で2号車の奴田原文雄がつける。北村は奴田原から6.2秒落ちの4位だが、経験の差を考えれば上々の出来といえた。悲願のチャンピオン獲得には奴田原より上位でフィニッシュしなければならない勝田は、このSS2でパンクに見舞われ、上位から大きく水をあけられてしまった。

 SS3/SS4の深谷ダムを終えるところまでは、北村はなんとか上位にくらいついて4位の座をキープしていたが、約16kmのSS5八本原ロングでついにつかまった。ベストタイムをたたき出した田口がトップに返り咲き、そのわずか0.3秒落ちでここを走りきった石田雅之が北村を抜いて4位に。

 

 いっぽう、このSSで勝田はサスペンション破損のためリタイアを余儀なくされ、チャンピオン獲得はほぼ絶望的となった。ただ、奴田原がリタイアするか、フィニッシュしても10位以下であれば、総合ポイントで勝田は奴田原をかろうじて上回る。奴田原はSS3以降2位を堅持しているとはいえ、「カーブレイクラリー」として知られるこのハイランドマスターズでは、最後まで何が起きるかわからない。

 ラリーはここで45分間のサービスをはさみ、リグループで隊列を整えてSS6/SS7の青谷林道往復へと向かう。この林道は、赤土、砂、浮き砂利、岩盤と路面の性質がしじゅう変化し、勾配やカーブの曲がり具合も区間によってさまざまに異なる非常に難しいコース。しかも短い秋の日はもうとっぷりと暮れている。さすがに北村はここでは熟練者に歯が立たず、80年代からこの道を走っている大庭誠介が北村を一気に抜き差って5位の座を手中にした。さらに、SS8とSS9に分けられた八本原逆走を終えると、北村と大庭の差は12.3秒まで開いてしまった。

 何か手を打たなければ、最終セクションもおそらく前のセクションと同じ結果になるだろう。西尾雄次郎監督の助言を容れて、北村はサスペンションセッティングをガラリと変更することにした。スタート時のセットアップに至る直前の仕様に戻す。タイヤも、この日ずっと使い続けてきたDIREZZA86RWに代えて86Rを試してみることにした。その感触は良好で、最終のSS10八本原ロングでは、暗くなってから大幅に負け続けていた大庭 を5.6秒差に退けて一矢報い、今後に向けて明るい材料を得ることができた。

 ラリーの勝者は、2004年にこのハイランドマスターズで全日本ラリーCクラス初優勝を飾った田口。SS5以降の7本のSS中5本でベストタイムを記録する圧巻の勝利だった。2位には中盤以降に猛追を開始した石田雅之、3位には奴田原が入り、初代全日本ラリー選手権総合チャンピオンの称号を手に入れた。この結果、総合シリーズランキングは2位が勝田、2年連続の3位に石田雅之、4位は全日本ラリー初勝利をあげた炭山、そして北村は今回の6ポイントで石田正史を逆転して5位に上がった。

 「全日本ラリーと全日本ダートラの同一年ダブルタイトルも」と周囲が期待する中、当の北村は「まず経験を積むために今年は全戦完走が目標」という謙虚な姿勢で臨んだ2006年シーズン。残念ながらその目標は達成できなかったが、ラリージャパンという大きなイベントでも完走を果たし、当初の目標かそれ以上の経験は積めたのではないだろうか。来年は、もっと高い目標に向かって突っ走る北村の姿が見られることを、多くの ファンが願っているだろう。
 

Photo Album

 

競技結果(完走28台/出走42台)

総合順位

クラス順位

クルー

車両

合計タイム

トップとの差

1位

JN4-1位

田口幸宏/佐藤忠宜

三菱ランサーエボリューション

1:03:07.4

00:00.0

2位

JN4-2位

石田雅之/清田恵次

三菱ランサーエボリューション

1:03:19.1

00:11.7

3位

JN4-3位

奴田原文雄/小田切順之

三菱ランサーエボリューション

1:03:40.2

00:32.8

4位

JN4-4位

炭山裕矢/沼尾敬廉

スバルインプレッサ

1:03:47.8

00:40.4

5位

JN4-5位

大庭誠介/高橋巧

三菱ランサーエボリューション

1:04:08.0

01:00.6

6位

JN4-6位

北村和浩/晝田満彦

スバルインプレッサ

1:04:14.7

01:07.3

 

Date

2006年10月21日

Weather

快晴

Place

岐阜県高山市・ ほおのき平スキー場 スタート&フィニッシュ

Data

SS10本、SS総距離 70.23km、グラベル、ドライ

 

<全SSのタイム表はJRCAホームページのイベントレポート欄からダウンロードできます。>