NISHIO GARAGE


Release 2006

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2006 Vol. 5 issued May 3


全日本ラリー選手権第2戦 久万高原ラリー

 

雨と霧のターマックに北村アクセル全開ならず

 

〜 ラリーの難しさを痛感しつつも総合4位、シリーズランキングは2位を維持  〜

 全日本シリーズ第2戦は四国・愛媛県南部の山岳地帯が舞台となる。標高1200m近い美川スキー場を中心としたこのラリーは、1980年代後半から90年代初頭にかけて、ツール・ド・四国という名称で行われていた頃から、雨や霧に見舞われることもしばしば。今年もそんな過去を彷彿とさせる展開となった。

 ラリー本番の4月29日土曜日、快晴の前日とはうって変わって朝からどんよりとした雲が空を覆う。だが雨になる気配は感じられず、上位を争うチームは例外なくドライ用コンパウンドのタイヤをチョイスした。

 

 オープニングのSS1は、トップが勝田範彦インプレッサと大方の予想どおりで、2位には二駆部門時代に参戦した経験が生きたか飯泉忠男ランサーが3.3秒差でつけた。前戦はターボトラブルで入賞を逃したが、今回は万全の対策をしてきたというチャンピオン奴田原文雄は、石田雅之ランサーを1.4秒差 だけ上回る3位とやや控えめな出足。ターマックデビューの前戦 はSS1でいきなり2位につけて関係者を驚かせた北村和浩インプレッサは、3年ぶりに全日本ラリーに復帰した松井孝夫の後塵を拝して6位と出遅れた。

 スケジュールの遅れは少しあったものの、ここまで順調に見えたラリーは、SS2で最初の波乱を迎える。先頭出走グループは土砂降りの雨に見舞われ、ドライ用タイヤではコースアウトせずに走るだけでも一苦労だ。ウェットでも使えるソフトコンパウンドを履いていたプライベーターの堀田信ランサーがベストタイムを記録するいっぽう、SS1は快調だった飯泉は12位、石田雅之は16位と順位は大きく変動。北村はここを4位のタイムでしのぎ、2本合計での順位は5位に上がった。

 ドライのSS3を終えてラリーカーはサービスパークに入る。次に走るSS4、5、6のうち、SS2と同じ場所の逆走となるSS5はウェット路面だが、SS4、6はドライのままのはず。こう考えて、ふたたびほとんどのチームはドライ用タイヤを選んだ。

 豪雨のSS2で勝田、奴田原よりもいいタイムを出していた北村も、セクション1と同じタイヤを履いてサービスを後にした。まず最初のSS4で松井、飯泉を抜いて3位まで浮上する。ここまでは予定どおりだった。しかし、SS5で今度は濃霧が発生、17番出走の松井がベストタイム、12番出走の大庭誠介が4番手タイムと、またも大きな順位変動が起こった。北村は初体験の霧にてこずったか松井から15秒落ちで4位に後退したうえ、3位松井とは12秒もの差がついてしまった。SS6で松井との差を10秒以内 に縮めてサービスに戻って来たが、北村の表情はさえない。

 開催前の情報では、今回のコースは前回と同様アップダウンが少なくツイスティで、違うところといえばアベレージスピードが少し高くなることと、きつい勾配の区間が一部にあることぐらい、という話だった。しかしSS1は予想以上にストレートが多く、その割に道幅が狭くてガードレールがない、いわゆる「ラリーらしい」コース。前戦の唐津は、直線がほとんどなくガードレールもしっかりついていて安心感があったが、いかにもリスキーな今回の林道は、ターマックラリー2戦目の北村にとってはずいぶん勝手が違ったようだ。

 さらにSS2では土砂降りの中をドライ用のセミレーシングタイヤで走り、SS5では濃霧と、まさに「ラリーらしい」出来事のオンパレード。どんなことでも貪欲に吸収していく北 村でも、さすがに消化不良を起こしそうな雰囲気だ。2回目のサービスに入ってきたときは、クルマの操縦性が前回とは異なることが不調の原因ではないかと考え、サスペンションを前回と同じものに交換した。

 しかし結果は芳しくなく、SS5の再走となるSS7では霧のせいもあったかトップから23秒も遅れ、松井との差は28秒にまで広がった。SS8も8位と低迷し、上位との差は開く一方。その間に、SS2でジャンクションをオーバーシュートしてトップから20秒も遅れた大庭誠介ランサーがじわじわと後方から上がってきた。大庭はSS9でも北村を約3秒上回る3位のタイムで、その差わずか6.3秒まで迫る。

 局地的な天候の変化に各チームともタイヤチョイスに頭を悩ませる中、2回目のサービスで選んだタイヤが路面にぴたりと合った奴田原が、SS8から猛追を開始した。SS9では5.3kmで勝田との差を一気に10秒も縮め、あと12秒に詰め寄る。このペースでいけば、18.5kmのSS10で逆転することも十分可能に見えた。

 しかし、日没が近づくとともに霧が深まると予想されたことから、SS9をもって競技は終了と決定。北村は辛くも4位に踏みとどまり、勝田が開幕戦に続いて2連勝を飾ることになった。

  今回のラリーは、北村自身が「ラリーらしい」リスキーなコンディションにかなり戸惑ったこともあったが、タイヤやサスペンション設定をコース状況にうまく合わせられなかったことも、期待したほどの成績が得られなかった要因と考えられる。適切なタイヤを選び、コースにマッチしたサスペンション設定を見つけるには、「コースの特徴や路面状況をもっと正確に、僕がタイヤエンジニアや監督に伝えないと、それは僕の仕事なんやから」と北村は反省する。

 

 「難しいラリーだったけど、たくさんのことが勉強できた」と言いつつ、「でも、そんなこと言ってるうちに、すぐに1年が終わってしまう。シーズンが終わらないうちに結果を出さないとね」と、最後は北村らしく、あくまでも最高の結果を求める言葉で締めくくった。

 

 

競技結果(完走34台/出走44台)

総合順位

クラス順位

クルー

車名

合計タイム

トップとの差

1位

JN4-1位

勝田範彦/北田稔

スバルラリーチームジャパン・インプレッサ

52:33.8

00:00.0

2位

JN4-2位

奴田原文雄/小田切順之

ADVAN-PIAA ランサー

52:45.8 00:12.0

3位

JN4-3位

松井孝夫/佐藤忠宜

アドバン PIAA カヤバ ランサー 52:55.4 00:21.6

4位

JN4-4位

北村和浩/晝田満彦

think3・DLインプレッサ 53:33.8 01:00.0

5位

JN4-5位

大庭誠介/高橋巧

REPSOL-ADVAN ランサー 53:40.1 01:06.3

6位

JN4-6位

石田正史/宮城孝仁

DL テイン マルシェ ランサー 53:51.3 01:17.5

 

Date

2006年4月29日

Weather 曇り、所により雨

Place

愛媛県久万高原町・ 美川スキー場スタート&フィニッシュ

Data

SS10本、SS総距離 79.49km(うち1本18.52kmキャンセル)、アスファルト舗装

 

<全SSのタイム表はJRCAホームページのイベントレポート欄からダウンロードできます。>