NISHIO GARAGE


Release 2006

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2006 Vol. 6 issued June 30


全日本ラリー選手権第5戦 シンフォニーラリー in ひよし

 

北村、我慢のラリーで5位入賞を確保

 

〜 ガードレールにヒットして3位から転落、トラブルを抱えたクルマで完走を果たす 〜

 

  シリーズ中盤にさしかかった全日本ラリー選手権第5戦は、グラベルで争われた第4戦MSCC東京ラリーから3週間のインターバルの後、6月24日に京都府南西部のターマックステージを舞台として開催された。

 梅雨まっただ中の日程では雨は免れないとの予想に反し、ラリー当日は快晴に恵まれてコースは全面ドライ。気温もぐんぐん上がり、ひと足早く夏がやって来たような暑さだ。

 開幕からの舗装2戦を2連勝し、続く3戦目のグラベルは手堅く3位に入った勝田範彦インプレッサがシリーズランキングトップを快走するいっぽう、チャンピオン奴田原文雄は開幕戦を落としたものの第2戦2位、グラベル緒戦は圧巻の優勝を飾り、ランキング2位につけている。後半のグラベル4戦を前に、ここでもう1勝しておきたい勝田と、いくらグラベルが得意とはいえこれ以上は絶対に離されたくない奴田原。ラリーはこの2人が真っ向から激突する展開となった。

 オープニングのSS1は、後半はハイスピードながら前半がクセモノで、落葉に覆われた道幅の狭いタイトコーナーの連続。このステージは勝田が速く、奴田原を1.3秒差に退けてまず先手を取った。ダートトライアル2戦の出場を経て久々のターマック走行となった北村和浩は、まだ舗装走りの勘が戻らないのか奴田原に5秒もの差をつけられたが、それでも3位に入ってドライバー自身が持つ能力の高さを見せつけた。

 SS2はダム湖岸を走る9.17kmのステージ。途中には直角コーナーを伴う橋や、長大なカーブを形成する橋、さらにはモナコグランプリを思わせる(?)内部で緩く曲がったトンネルまであり、高速かつトリッキーなコースだ。ここで奴田原が勝田に5.3秒の差をつけるベストタイムを奪い、早くもトップに躍り出た。こういう「ラリーらしい」コースに課題を残す北村は5位にとどまり、ターマックスペシャリストの松井孝夫が3位、身体もクルマも復調してきた石田正史が4位につけた。

 わずか500メートルのギャラリーステージを終えて1回目のサービス。監督・西尾雄次郎は「(久々の舗装だから)1周目はこれでいい、2周目にはもっといいタイムが出るよ」とまずまずの出足に笑顔を見せる。

 

 西尾が予言したとおり、SS1の再走となったSS4で北村は1回目のタイムを7秒以上も縮め、トップ奴田原から1.7秒落ちのサードベストを記録、合計タイムでの順位も4位と一つあげた。こうなれば松井を逆転するのも時間の問題で、このラリーの3位以上は確実、と思われたのだが、SS5のタイムを待つサービスパークに思わぬ連絡が入った。SS5で左フロントをぶつけて足回りを大きく破損したというのだ。この結果、松井を抜くどころか石田正史と福永修に抜かれ、SS5終了時点で6位まで順位を落としてしまった。

 SS6ギャラリーステージを「迫力あるドリフト」で駆け抜け、観客を沸かせて北村はサービスイン。しかしあの「ドリフト」は意図してのものではなく、足が曲がったクルマを必死でコントロールした結果だ。クルマのダメージは予想以上にひどく、左前だけではなく左リヤの足も曲がっている。しかもロワアームの変形が著しく、取り外すことすら困難だ。時間ぎりぎりで作業を終えてサービスパークから送り出したが、クルマはハンドリングに問題を抱えたままの状態。あと数分で完璧に近いレベルまで修復できるのであれば、多少のタイムペナルティを受けてでも作業を続けたのだが、実際のところそれだけではとても済みそうになかった。

 それでも北村はSS7も3番手に入り、福永を抜いて5位に浮上した。SS12を終えるまでサービスはない。思い通りに動かないクルマで奮闘を続ける北村を思うと、西尾は、ただ無事で戻って来いと祈るしかなかった。

 だが北村のほうも、SS8でふたたび福永の後塵を拝して以後は、クルマの状態を考慮して「順位を落とさず走りきる」ことに目標を切り換えたようだ。奴田原と勝田がベストタイムの応酬を続け、松井、石田正史、福永が3,4,5位を奪い合うのを尻目に、北村はコンスタントに6位のタイムで走り、6位でラリーを終えた。最終的には、福永車が再車検で最低地上高が規定に満たないとして失格となり、北村が5位に繰り上がったとはいえ、北村にとっても西尾にとっても歯がゆい思いが募った週末だった。

 いっぽう、昨年は経験を積むことを目標に全日本選手権各戦に付属的に設けられた選手権対象外のクラスに出場していた松岡孝典インプレッサが、今年は選手権クラスで3〜4戦に出場する計画を立て、最初の挑戦としてこのラリーを選んだ。8か月ぶりの競技出場のためスタート直後はスローペースだったが、近畿地区選手権で育っただけに舗装が得意という松岡は、SS2以降合計タイムで常に8位につけ、SS5では松井にわずか0.3秒差の6位タイムを出すなど徐々に調子をあげてきた。結果的にはSS11でクラッシュしてリタイヤに終わったが、今後の可能性を感じることができたことが、ひとつの収穫と言えるかもしれない。

 

 

 

競技結果(完走29台/出走39台)

総合順位

クラス順位

クルー

車名

合計タイム

トップとの差

1位

JN4-1位

奴田原文雄/小田切順之

ADVAN-PIAA ランサー

37:01.7

00:00.0

2位

JN4-2位

勝田範彦/北田稔

スバルラリーチームジャパン・インプレッサ

37:12.0 00:10.3

3位

JN4-3位

石田正史/宮城孝仁

DL テイン マルシェ ランサー 37:41.2 00:39.5

4位

JN4-4位

松井孝夫/佐藤忠宜

アドバン PIAA カヤバ ランサー 37:51.8 00:50.1

5位

JN4-5位

北村和浩/晝田満彦

think3・DLインプレッサ 37:59.7 00:58.0

6位

JN4-6位

炭山裕矢/沼尾敬廉

クスコスバルADVANインプレッサ 38:31.2 01:29.5

 

Date

2006年6月24日

Weather 快晴

Place

京都府南丹市・ ひよし府民の森 スタート&同府亀岡市・亀岡ハイツ フィニッシュ

Data

SS13本、SS総距離 59.77km(うち1本6.21kmキャンセル)、アスファルト舗装、ドライ

 

<全SSのタイム表はJRCAホームページのイベントレポート欄からダウンロードできます。>