NISHIO GARAGE


Release 2007         

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2007 Vol. 4 issued April 19


全日本ラリー選手権第1戦ツール・ド・九州 in 唐津

 

北村、ラリー開幕戦は2年連続総合2位

 

〜  新人・松岡孝典が総合9位に入って全日本ラリー初ポイント獲得 〜

 

 2007年全日本ラリーは、昨年と同じく佐賀県唐津市でシリーズ緒戦を迎えた。ディフェンディングチャンピオン奴田原文雄、ランキング2位の勝田範彦、4位炭山裕矢、5位北村和浩、6位石田正史らが顔を揃える中、3位の石田雅之は欠場し、C-ONEスポーツからは 代わりに昨年のJN3クラスチャンピオンの横尾芳則が、ランサーを駆ってJN4クラスにエントリーしている。

 汗ばむほどの陽気となった金曜日は、レッキ終了後に雷を伴う激しい雨が2時間ほど降り続いたが、唐津神社でセレモニアルスタートが始まる午後5時ごろには、それもあがった。参加者全員が神社の拝殿で交通安全の祈祷を受けた後、神社の階段で記念撮影、そして鳥居の下から1台ずつセレモニアルスタート。シリーズの幕開けにふさわしい演出の中、地元テレビ局のカメラが昨年の 王者・奴田原を追い、 華やかにラリーが始まった。

 実際の競技開始は一夜明けた土曜日。この日は天気予報どおり朝から爽やかな快晴に恵まれたが、山間部の林道の路面はウェットの可能性もある。ただしウェット路面で高い性能 を発揮するタイヤは、ドライ路面になると性能劣化が早まる。各チームとも悩んだ末に決めたタイヤチョイスは、果たして成功なのか失敗なのか。

 オープニングの競艇場駐車場でのSS1は、奴田原と炭山が52秒台で1-2を奪い、ヨコハマタイヤ勢が幸先の良いスタートを切った。いっぽう、勝田、北村、石田正史のダンロップ勢は54秒台にとどまる。しかし林道に行くと形勢は一気に逆転。10.13kmのSS2 Sanpouで8分33秒台のベストタイムをマークした勝田と、35秒台の北村の2人が飛び出し、奴田原は48秒台、炭山は50秒台と壊滅的な遅れを喫した。

 SS4ではタイヤの激しい磨耗のためにコントロールを失った奴田原が、フィニッシュを目前にしてガードレールに激突。奴田原はここだけでベストタイムの北村から57秒も遅れ、この時点でトップの勝田から1分12秒遅れの22位に沈んだ。こうしてセクション1終了時には、トップが勝田、その僅か3.2秒差で北村が2位につける。すでに3位横尾と北村との差は14.4秒に開いており、今年も唐津は勝田と北村のマッチレースの様相だ。石田正史はSS2で日陰の路面がウェットかもしれないと慎重になりすぎて出遅れたが、徐々にペースを取り戻し、4.4秒差で横尾を追う。

 勝田を射程内にとらえてセクション2をスタートした北村は、しかし、セクション1よりもさらに気温が上がることを考慮してタイヤへの負担を減らす走りを心がけた結果、スピードが鈍ってしまった。林道2本で勝田との差はたちまち8.5秒に。「これはマズイ」と、この日最後の林道ではセクション1の走りに切り替えたが、勝田のタイムはそれでも北村を2.1秒上回り、その差は10.6秒にまで開いた。

 さらに、レグ1の終わりに思いがけない出来事が待っていた。競艇場駐車場でのSS9のスタートがフライングと判定され、北村に10秒のペナルティが課されたのだ。このペナルティを入れても、すでに3位とは10秒以上の差がついていたため、レグ1と同じペースで走ればレグ2で順位を落とすことはまずない。いっぽう、勝田との差は20秒近くに広がり、逆転は難しくなった。

 それでも、最後まで何があるのかわからないのがラリー。もしも勝田が守りに入れば、普段はしないようなミスをすることもあり得る。その少ないチャンスを北村がものにするには、まず自分の力で可能な限り差を縮めていかなければ。また、石田正史との差は10秒あるとはいえ、正史は横尾から奪った3位の座を守るためにマキシマムアタックを続けるはず。そんなときの彼は、どんなスーパータイムを出してくるかわからない怖い存在だ。

 レグ2の林道1本目では、再び北村がベストタイムを奪ったが、勝田が2番手につけ、差はわずかしか縮まらない。勝田も守りに入ることの怖さを充分身にしみて知っているのだろう、手を緩める気配はなかった。最後の林道となったSanpouで、途中北村はU字溝にタイヤを 引っ掛け、異常がないことを確認するまでしばらくの間ペースダウンを余儀なくされたが、それ以外は終始攻めの走りで納得のフィニッシュ。だが勝田は北村を0.9秒上回るベストタイムで走りきり、優勝を決定的にした。


 最終SSとなった競艇場駐車場のステージでは、下位との差に余裕のあった奴田原が途中でドーナツターンを披露。自分の優勝を期待して見に来てくれたファンに対するせめてものサービスといったところか。競技終了後は、ゲストドライバーの新井敏弘を交えて、総合上位のドライバーたちが自らチャリティーオークションに参加して来場者との交流を深めた。

 いっぽう、昨年のシンフォニーラリーでの大クラッシュから復活し、今年はニシオガレージ製インプレッサで全日本のターマックイベント5戦に出場を予定している松岡孝典は、SS3でのバーストで大きく遅れたものの、それ以外のほとんどの林道SSではコンスタントに6〜7位のタイムを刻み、総合9位でフィニッシュ。とくにレグ2の最初の林道では、奴田原をもしのぐ総合4位のタイムを出し、 一躍注目の的に。レグ1の北村のインカービデオを繰返し見て走りのイメージをつかんだというが、第2戦久万高原ラリーでも、そのイメージを忘れずに走ってほしいものだ。

 

Photo Album

 

競技結果(完走38台/出走46台)

総合順位

クラス順位

クルー

車両

合計タイム 1位との差

1位

JN4-1位

勝田範彦/北田稔

スバルラリーチームジャパンインプレッサ

57:37.5

 

2位

JN4-2位

北村和浩/山口顕子

アーレスティDL・KYBインプレッサ

57:55.2

0:17.7

3位

JN4-3位

石田正史/宮城孝仁

DLテインマルシェランサー

58:09.0

0:31.5

4位

JN4-4位

横尾芳則/石丸智之

C-ONE POTENZA ランサー

58:15.6

0:38.1

5位

JN4-5位

炭山裕矢/松田博和

クスコADVANスバルインプレッサ

58:53.4

1:15.9

6位

JN4-6位

奴田原文雄/小田切順之

ADVAN・PIAAランサー

59:11.0

1:33.5

9位

JN4-8位

松岡孝典/木村裕介

ニシオガレージDLインプレッサ

59:34.2

1:56.7

 

Date

2007年4月14-15日

Weather

レグ1 快晴、レグ2 曇り

Place

佐賀県唐津市・ からつ競艇場スタート&フィニッシュ

Data

SS13本、SS総距離 67.54km、ターマック、ドライ

Results 全SSのタイム表はJRCAホームページのイベントレポート欄からダウンロードできます。