NISHIO GARAGE


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Vol. 7 issued July 16


全日本ラリー選手権第6戦Rally Hokkaido

 

北村がついに全日本ラリー初優勝

 

〜  ベストタイムは2本のみながら、終始冷静なドライビングで勝利の女神を引き寄せた 〜

 

 いつ勝ってもおかしくないと言われながら、今季は思いもよらないアクシデントや自らのミスにより想像だにしなかった苦戦が続いていた。さらに第5戦はサスペンション開発に重点を置くために欠場するという苦渋の決断をしなければならない状況。いったいこのトンネルはどこまで続くのか、そんな不安が頭をよぎったこともあっただろう。

 ラリーを迎えた週の後半、十勝地方は例年とは異なる不安定な天候に見舞われた。レッキ1日目の木曜日は晴れあがり、週の前半とはうって変わって暑くなった。しかしセレモニアルスタートが行われた金曜日は肌寒く、終日雨。そしてラリー本番を迎えた土曜日は、晴れて明けた。

 

 こうなるとタイヤチョイスが難しい。路面が急速に乾いていくのか、それとも、少なくとも1巡目はウェットが残るのか。ドライ用タイヤでウェット路面を走るのはトップラリーストにとっても甚だ難しくリスキーだ。いっぽう、ウェット用でドライ路面を走ればタイヤの消耗が激しいうえにバーストやパンクの危険性が高くなる。いつものことながら、タイヤの選択はラリーの展開に大きな影響を与える。今回、チームの選択は正しかったといえるだろう。

 北村は幸先よくSS1でベストタイムを記録。これは監督の西尾雄次郎にとっては嬉しいというより驚きだったという。「これまでずっと苦手だったリクベツで、ベストタイムだって?!」 ここで好感触を得たことが、続くSS2でも奴田原文雄のベストラップからわずか0.4秒落ちの2番手という走りにつながったのか。十勝の道を走るのはWRCも入れると これで5回目だが、去年までは奴田原にまったく歯が立たなかった。いや、奴田原だけでなく、他の全日本ドライバーたちにも大きく水をあけられていた。今回はどこまでついて行けるのか、まだ手探りながらも、とりあえず上々の滑り出しだ。

 SS3がキャンセルとなり迎えたSS4、ここでは昨年のラリー北海道で最終一つ前のSSまでぶっちりぎりでトップを走っていた石田雅之が、ベストタイムを叩き出す。しかし石田雅之はSS2でバーストから 約20秒をロスしており、さらに、それ以降電気系統のトラブルを抱えていた。SS5では今季すでに2勝を挙げ、勝ちを逃したラリーでも圧倒的な速さを見せつけてきた石田正史がベストタイム。しかし石田正史は続くSS6でパンクに見舞われ、7分も遅れることとなった。また、ポイントリーダーの勝田範彦はSS2でエンジンの不調を訴えていた。これはSS5前のサービスで解消されたが、いまひとつ波に乗れない様子だ。

 そんな中、北村はSS1のあとベストタイムこそなかったが、常に2位から4位のタイムでまとめ、奴田原がSS4でマシントラブルからリタイアして以降ずっと首位の座をキープしていた。やがて、晴れかと思えば通り雨が降るような不安定な天気が、ついにSS5で激しい雷雨に変わる。SS7、SS8のキャンセルが決まった時点で、北村の初日トップが確定した。2位と3位にはそれぞれベテランの岩下英一、大嶋治夫がつけている。北村と岩下との差は16.2秒だが、むしろ怖いのは、その18.5秒後方にいる石田雅之かもしれない。初日最後のサービスで完璧にトラブル修復なった石田雅之が、DAY2でどこまで巻き返してくるか。過去2年のデータを見る限りでは、みるみるうちに追いつかれそうだが、北村も去年までの北村ではない。

 そして2日目、ラリーは石田雅之と石田正史のベストタイム争いで展開した。まず最初の4本は連続して石田正史、石田雅之がそれぞれ1位2位を獲得。石田雅之は岩下をあっさり抜き去り、この時点で北村との差は21.2秒に。1巡目の最終SSでは北村が本領発揮してこのラリー2本目となるベストタイムをものにしたが、短い帯広のステージでは石田雅之との差が開いたといってもわずかだ。

 2位と21.6秒の差をもってセクション4に入った北村は、それまでと変わらぬペースで淡々と走り続けた。結局、石田正史はこの日行われた10本のSS中8本でベストタイムを記録するも、SS6でのパンクが響いて8位まで順位を戻すのがやっと。石田雅之は7本でセカンドベスト、2本でサードベストと健闘したが、北村まであと7.4秒に迫ったところでラリーは終了。こうして 、本人が戸惑うほどあっけなく、北村はこの長大で過酷なラリー北海道で、自身のラリー初優勝を達成した。そしてこの優勝は、グラベルセッティングが難しいと言われたインプレッサGRBの、グラベルラリー初勝利でもある。

 全日本選手権規定により、このラリーは通常の1.2倍のポイントが与えられる。これで24ポイントを得た北村は、今回ノーポイントだった奴田原と田口幸宏を抜いて3位に浮上した。2位の石田正史との差もわずか0.6ポイント。あきらめかけていたチャンピオンへの道も、再び視野に入り始めた。

 第7戦ラリー・イン・赤井川の舞台は、北村が2006年にラリー本格参戦を開始してから初めてベストタイムを記録したゲンのいい場所。さらに遡れば、1999年〜2000年にスポット参戦したときに、初めてラリーでのベストタイムを記録し、表彰台を獲得した場所でもある。次の勝利はここで、とファンが期待するのは、当然のことかもしれない。  < 詳しくは Archives 2006年Vol.10、2000年Vol.16で  >

 

Photo Album

 

競技結果(完走17台/出走29台)

総合順位

クラス順位

クルー

車両

合計タイム 1位との差

1位

JN4-1位

北村和浩/竹下紀子

インプレッサWRX STi

1:47:21.8

 

2位

JN4-2位

石田雅之/清田恵次

ランサーEvo IX

1:47:29.2

0:07.4

3位

JN4-3位

大嶋治夫/井出上達也

ランサーEvo IX

1:47:49.9

0:28.1

4位

JN4-4位

岩下英一/高橋昭彦

ランサーEvo VIII

1:48:00.2

0:38.4

5位

JN4-5位 勝田範彦/晝田満彦 インプレッサWRX STi 1:48:13.6

0:51.8

6位

JN2-1位

星野博/石田裕一

ランサーEvo IX

1:49:30.4

2:08.6

 

Date

2008年7月12日〜13日

Weather

Day1 晴れ後雨、Day2 曇り (国内規則ではLegのところ、今回は国際規則にもとづくItineraryのためDayと表記)

Place

北海道帯広市・ 愛国交流広場スタート&フィニッシュ

Data

SS18本、SS総距離230.80km(ただし3本63.93kmキャンセル) グラベル、ウェット〜ドライ

Results

SSの リザルトがRally Hokkaido公式ウェブサイトに掲載されています。

全SSのタイム一覧表ファイルは、JRCAホームページのイベントレポート欄からダウンロードできます。