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Vol. 4 issued Oct. 2


全日本ラリー選手権第7戦新城ラリー

 

復調の兆しが見えた矢先、コースオフでリタイア

 

〜  リタイアは残念とはいえ、この機会に期せずして得られたものとは 〜

 

 前戦「久万高原ラリー」では、最後になってやっと少し調子を取り戻せたという松岡孝典。それを第7戦につなげたいと言っていたのだが・・・。

 全日本ラリー第7戦「新城ラリー」は、中部地区戦として始まった2004年から5年続けて11月に開催されていたが、今年は初めて9月に時期を移した。残暑が長く続き、いまだに昼間は30℃まで気温が上がる中、コースをとりまく風景は例年とはまったく違って見えたというが、このラリー特有のトリッキーな林道はいつもと変わらず、難しいワナをそこここに仕掛けていたようだ。

 昨年のこのラリーでは、速さで他を圧倒していたディフェンディングチャンピオン勝田範彦が、終盤のSSでスタート時刻を1分間違えて10分のペナルティを受け、勝利を棒に振った。今年、勝田はこれまで出場した3戦のターマックラリーすべてで勝利を収めているとはいえ、中盤のグラベルラリー2戦を欠場したことで、シリーズポイントでは奴田原文雄に大きく水を開けられている。3年連続のタイトル獲得に向けて、地元ともいえる新城では是が非でも勝ちたいところ。いっぽう、奴田原にとっても3年ぶりのチャンピオン奪還がかかっており、しかもメインスポンサーの横浜ゴムが新城市内に工場を持つという意味でここは地元に等しく、負けるわけにはいかない。

 

 ラリーは大方の予想どおりこの2人を軸に展開した。3か所のSSを2周するデイ1では、まず最初の1周目をすべて奴田原が制するも、勝田が8.1秒差の2番手につけチャンスをうかがう。この2人にからむと見られた石田正史は、SS1,2をいつになく低調なタイムで走り終えるとSS3でクラッシュして早々に戦列を去った。2周目に入ると勝田がSS4、SS5と連続ベストタイムを記録し反撃を開始。デイ1を終えてトップは依然として奴田原ながら、勝田との差は6.0秒に。前戦はSS1のマシントラブルによりカヤの外に置かれた横尾芳則が、この2人に僅差でくらいついている。

 いっぽう、松岡孝典は群雄割拠となった4位から8位までの集団の最後尾でデイ1を終えた。インカー映像を見た西尾雄次郎監督によれば、ラリー直前のテストではそこそこ走れていたのに、ラリー本番になると、まるで別人のような走りになっているという。1日目の晩は監督から厳しい指導を受けつつ、また自分でもビデオの中の良い部分をイメージすることで、松岡は2日目の巻き返しを図った。


 明けてデイ2。前夜のイメージトレーニングが功を奏したか、松岡はしょっぱなのSS7でトップ3に次ぐ4番手のタイムを記録、ここから浮上に転じるかと思われた。しかし続くSS8雁峰の序盤、濡れた砂の乗ったコーナーで足元をすくわれてコースオフ。側溝から自力で抜け出すことが出来ず、この時点でリタイアとなった。「今回のラリーでは、路面の変化に対して適切な速度を維持できず、速過ぎたり遅すぎたりを繰り返していた。自分の技術の未熟さを痛感しました」とは松岡の反省の弁だ。

 対照的に、SS8でその実力を見せつけたのがターマックキング勝田だった。この1本で奴田原に8.5秒差をつけて一気に逆転、2.2秒のアドバンテージを持って首位に立った。続くSS9、SS10ではいずれもベストラップを奴田原に譲るもラリーリーダーの座はキープ。そしてSS8の再走となるSS11をまたも最速で駆け抜け、奴田原との差を19.3秒にまで広げた。これで勝負あり。ギャラリーステージを含む短い最終SSは着実に3位タイムで走りきり、今年4戦出場したターマックラリーで負けなしの4勝目を手に入れた。

 勝田の勝利を決定づけたSS11を、SS8でリタイアした松岡は期せずして自分の目で見る機会に恵まれた。舗装路での技術はまったく別次元といえるほどの勝田の走りと、その他のドライバーたちの走りの違いを眼前にして、車両の修理・回収のため現場に来ていた西尾から話を聞くことができたのだ。「リタイアしたことは大いに反省すべきですが、監督と一緒に他の選手の走りを見れたことは大変参考になりました」と言うように、これまで西尾から何度も指摘されてきたことの重要性を再確認するとともに、また新たなことをも学んだという。


 残念ながら第8戦ハイランドマスターズは欠場するが、今回のリタイアによって「今まであまりはっきり認識できていなかった『攻める』という言葉の意味が、少しわかり始めた気がする」と言う松岡は、「競技出場のない間に『攻める』感覚を身体に叩き込み、メリハリのある走りで最終戦に臨みたい」と決意を新たにしている。

 最終戦まであと1か月半。認識上では「一歩前進した」と感じている松岡が、それをどこまでドライビングに反映することができるようになるか。その成長を楽しみに待つことにしよう。

 

Photo Album

 

競技結果(完走33台/出走45台)

総合順位

クラス順位

クルー

車両

合計タイム 1位との差

1位

JN4-1位

勝田範彦/保井隆宏

ラック名スバルSTI DLインプレッサ

1:01:58.9

 

2位

JN4-2位

奴田原文雄/佐藤忠宜

ADVAN-PIAAランサー

1:02:17.0

0:18.1

3位

JN4-3位

横尾芳則/田中直哉

POTENZA KYB WMランサー

1:02:41.5

0:42.6

4位

JN4-4位

杉村哲郎/立久井和子

CMSC★DL★ITZZ★ITOランサー

1:02:59.5

1:00.6

5位

JN4-5位 福永修/奥村久継 HASEPRO・CMSC・SDFランサー 1:03:35.9

1:37.0

6位

JN4-6位

高山仁/河野洋志

DL☆啓介☆NNKTランサー@オサム

1:03:53.2

1:54.3

 

Date

2009年9月26日〜27日

Weather

デイ1 晴れ、デイ2 晴れ

Place

愛知県新城市・ 県立桜渕公園スタート&フィニッシュ

Data

SS12本、SS総距離73.50km  ターマック、ドライ

Results

SSごとの速報タイムやスプリットタイム、および公式結果は、新城ラリー公式ウェブサイトからアクセスできます。

全SSのタイム一覧表および上位入賞車画像はJRCAホームページからもダウンロードできます。